街角ナンパで即アポゲット
先々月号では気になる女性店員に直筆の手紙を渡しまくり、3人とのデートにこぎつけた俺だが、今回はもっとストレートな告白で恋心を成就させてみたいと思う。
町中で美女とすれ違ったとき、皆さんはどんなアクションを起こすだろう。
すぐに声をかけられるナンパ師は別として、やはりたいていの男性は少し目で追うのが関の山ではないか。
もったいない。毎日、品川の自宅と渋谷の会社を往復するだけの美女と、赤羽の自宅と神田の会社を往復するだけのサラリーマンが、その日たまたま新宿の交差点にいたからこそすれ違えた天文学的確率の偶然を、いともあっさり捨ててしまうなんて。
ここははっきり伝えるべきではないか。嘘偽りのない素直な台詞「一目惚れしました」の一言を。
でなければ人生を後悔するのでは。
美女を目で追うだけの一生なんて、死んでも死にきれないだろう。
一目惚れという経験は、男女問わず誰にだってあるはず。だから言われたほうも悪い気はせず、ときにはその勇気に、その真摯な姿勢に、気持ちが傾いてしまうと思うのだ。
というわけで俺は、洗練された美人が最も多く生息する東京の表参道と銀座の2つの街に赴き、美女が通るたびに片っ端から声をかけまくることにした。
ただし、第一声で「一目惚れしました!」ではあまりに唐突過ぎる。まるで狂人だ。かといってダラダラと立ち話を続けると、ただのナンパ師と勘違いされてしまう。
なんと言ってもこちらは恋をしているのだ。できるだけ早めに淡い思いを伝えなければ。となると声の掛け方としてはこれぐらいが妥当だろうか。
「すみません、さっき向こうで見かけたんですけど、 一目惚れしちゃいまして…」
うん、悪くない。
一目惚れの言葉に驚いた様子だった彼女は、続く「すごいタイプなんです」のフォローで少し顔を赤らめ笑顔を見せた。
「彼氏はいるんですか?」
「いや―いないですね」
「じゃ、少しでいいのでお話させてもらえないすか? お茶だけ」
「いや―」
「お願いします。今話せないと一生会えないと思って追いかけてきたんですよ」
「はあ、じゃ少しだけなら」
彼女は22才の美大生で、今日は学校の実習のため美術館でお手伝いしてきたところらしい。地味で大人しい雰囲気なのだが、絵の話になると彼女は饒舌になった。
「今日行ってきたのはここの美術館でやってる展覧会なんですけど…」
手にした袋からパンフレツトを取り出して、絵の説明をはじめた。なんだか人と話をしたかったのかもしれない。
「この辺に住んでるんの?」
「いえ、実は山形なんですよ」
「ええ?」
現在、学校も住まいも静岡県で、学校の実習で一週間だけ東京に来たらしく、おじさんの家に身を寄せているんだとか。
「いつまでいるの?」
「あ、明日帰ります」
「じゃ、今夜が最後か。 一緒に夜ご飯食べようよ」
「いや―、無理ですよ」
今夜はおじさんと食事する予定でどうたらこうたらと説明が続いた。
「もう一度会えないかな。 一目惚れして声かけるなんてなんて初めてのことだし」
「う―ん、でもしばらく彼氏とかはいいかなって…」
ちょっとビツクリした。彼氏って。
そうか、 一目惚れでスタートしたんだから、関係が深まるとすれば、それは恋人としてだよな。
素直に俺のことばを信じてくれた純朴さに少し目頭が熱くなり、とりあえずとメアドを交換してお別れした。
今も静岡と東京でメールのやり取りは続いている。
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2011年10月13日 | コメント/トラックバック(0)|
カテゴリー:一目惚れナンパ作戦

